みなさん、こんにちは。
寒くなってきましたね。
体調はいかがですか?
今回は#003「待合室で」のつづきです
一生懸命思い出して書きました
何度か〇〇病院へ行き わたしも⬜︎⬜︎ちゃんと同じ先生に
診察してもらう事になりました
一言だけ質問された記憶があります
「友達はいますか?」
口をぽか〜んと開けて、はて何のこと言ってんだろ
そう思うだけの幼いわたしは 腰掛けた丸椅子と、両手に握ったバッグとひとかたまりの
一体の人形のようでした
診察室を出てつづく長い廊下は 果てのない東京の路を自転車で走るときの 灰色の景色
そのものでした
とぼとぼ歩いた廊下 窓から差す明るい光 白衣への虚無そのものが幻に近く
今となっては虚しいを一筆書きしたような 複雑な気分で
小さな身体が 一生懸命 生きようとしていた ただそれだけでした
「走り出せ!」
突然、声が言いました
駆け出す方の足先に 少しの戸惑いを覚えつつ
気がつくと わたしは言われるがまま 走り出していました
事務のお姉さんたちが くすくす笑うのを横目で見ていた あの日
ああ これが 幻聴なんだ と自覚した 大切な瞬間でした
つづく
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